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『ひとさらい』ジュール・シュペルヴィエル

シュペルヴィエルは、詩と短篇の人のように言われているから、長篇小説であるこれには、正直に言えばあまり期待せず、それでも、澁澤龍彦の翻訳意欲を刺激したなら、悪くもなかろう、と、多少の期待も持ちつつ、古書店で見つけて買ったのだけど、読みはじめたらとまらない。
「小説は天帝に捧げる果実である。一言たりとも腐っていてはならない」と書いたのは、中井英夫だけれど、ひとつとして、手を抜かれたところのないアクションと言葉で紡がれた長篇小説。美しい。

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